はじまりは、
ボスの
「今日見たことない魚がおったらしい」
でした。
げんたまんの写真見せてもらったら確かに、見たことない魚でした。
さっそく図鑑で調べてみた。
日本の海水魚図鑑3冊見たけど記載なし。
同期で水産高校の先生してる人に聞いたら
「海外のやつっぽいな」
ってことでしたので、
世界の海水魚図鑑検索。
これだーーーー
形態的特徴は一致。
けど生息域がとんでもないトコでした。
生息域:東太平洋 メキシコ ソコロ近海
ナニッ!?
ネットで検索すると、さらにとんでもない結果が判明。
メキシコ、レビリャヒヘド諸島の世界一美しいと言われる島から名付けられた。
この島近海に生息するキンチャクダイ科の魚。
メキシコ政府に保護され近年では捕獲に制限があり、取引が減少。
コレクターには人気の魚。
「世界の高額魚トップ10」とかいうページにも出てきた。
要は、メキシコの一部の海にしかいないはずのお魚さん。
どうしてここに??
ここ、FUKUOKA JAPAN ですよ。
しかも、
40万円????????
たまげたので、
翌日カメラ持って海へ。
捕るんじゃなくて、撮るために。
いた!!!!!!
福岡の海で、普通に泳いでいる!
どっからどう見ても、クラリオンエンジェルフィッシュ。
きれいな色ーーーーーー
前日見たときはあまり動かず弱っているように見えたそうですが、
この日は範囲はおおよそ決まっているものの、
めっちゃ元気に泳ぎ回っている。
ただ、周りの危険なカサゴたちには無頓着。
(このサイズなら食べたれない?)
クリーニングもしてもらえるようだ。
この岩影にいつもいる近い種類のキンチャクダイに対しては、
「私の場所よ!」
的に追っ払ったりしてました。なかなか気が強い。
イシガキダイにはすりすり。
なかなか性格悪そうだ(笑)
ダイバーのことも、あまり警戒してないみたい。
けっこう近寄ってくる。
2ダイブ目は違うところでまたちょろちょろしてた。
ときどき何かついばんでいたので、エサも食べている?
元気に、生きてってるみたい。
適温が23℃前後とのことで、今の季節が合っているんでしょう。
2ダイブがっつり観察、撮影しました。
久しぶりのマクロ、しかも動く魚、、、
普段から練習しとかないとこんなときに慌てますね。
場所を公表すると捕獲されそうと心配しましたが、
そういえばなかなか発見しにくい場所でした。
詳しい人に問い合わせたところ、
飼育下にいた個体が流出したものだろうということ。
こんな高価な魚逃がしちゃう人いるのー???
メキシコから泳いでくるのはまず不可能だから。
夢がないなー。
飼育下にいた個体だろうが、
海に帰ったんだから。
日本の海での目撃例は今のところ見当たらない。
このメキシコの限られた海にしかいないはずの魚が、
遠く太平洋をまたいで日本の海にいる。
奇跡起こしてますよ。
外来種問題やらいろいろありますが、
生き物にとってはただ生きてくのに必死なだけですよね。
人間が悪い。
1匹しかいないので繁殖はまずありえないと思うし、
エサもそんな食べつくすほど大食いでも競合することもないでしょう。
(ちょっとキンチャクダイはかわいそうだけど)
生態系への影響はほぼない、と思う。
ということでいつまでここにいてくれるのか観察することにしました。
がんばって生きて行けー。
まずは、今週やってくる台風を生き抜くのだ!!!!!
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